※最新122話(2023/08/03)までのネタバレを含みますのでご注意ください.
121話のあらすじ
天馬&士門,繭良,鈩VS無悪
死闘の末、鈩の纏神呪の攻撃が無悪の黒極呪儡を破り、天馬の一撃が入った‥
ところで前回は終わりました.
今回はその続きです.
麒麟児の猛攻
天馬の貴赫人機の一撃が無悪を袈裟に切り裂き‥
「むっ‥ぐ!!」
「無悪っ!!」
叫ぶ杠。
「天馬さんっ!!」
「応っ!!!」
でゅばばばばばばばばばばばばっ!!!
かけ声と共に、斬撃を放つ天馬。血を吹き出す無悪に構わず、畳みかけます。
数十発の攻撃が無悪を襲いかかり。
「麒麟児めっ」
たまらず無悪は黒極呪儡を展開します。その大きさは、今までにない規模。
天馬に黒極呪儡が襲いかかり‥舌打ちをすると同時に天馬は遙か後方へ飛びます。ここの後退の描写、天馬の俊敏さを上手い具合に表していてすごかった‥。
しかし飛び退いた先には無悪が‥
「普施一切穢者廻向破幻卿!!」
後ろをとった無悪が天馬に術をかけます。
それは無悪お得意の結界術、以前鈩を追い込んだ、全ての術式を無効化する結界です。
「我が魔の間合いでは以下に矮小な術式さえもその発動は許されぬ。黒極呪儡と同等の術式で構成された結界表面に置いてさえ、貴殿らの用の術式では一切作用を及ばん。」
つまり、陰陽師の術式を全て無効化する結界。その結界が天馬を包み込んだのです。
それ即ち、天馬の敗北を意味します。
しかし天馬は相変わらず不敵な笑みを浮かべます。
「─ってことはコイツにとっちゃ、ガラス以下の耐久性しかないってことだな。んん!?」
すると、次の瞬間、纏神呪姿の鈩が結界にひびを入れていたのです。
「コイツは陰の気漬けにされた母親から生まれた。人間でありながら陰の塊でもある糞チート野郎だぜ。」
つまり、陽の気をシャットダウンする結界も鈩の前では無意味ということ。
「‥‥それは流石に、非人道的が過ぎるだろう。」
「俺もそう思う。」
途端、無悪の結界が破られたのでした。
安らぐときのために
鈩により結界から解放された天馬は飛び上がります。
「いくぜ顔文字マン。祓え給え」
「キキ清メめ給えェえええええ」
「「刃・突武迦哩」」
「「救急如律令!!!!」」
天馬と鈩。12天将二人の合わせ技が砲撃として無悪へ一直線に放たれます。
「無悪ッ!!!!」
‥‥
ケガレの屍体で埋め尽くされた場所に一人座り込む杠。
そこに人影が現れます。それは以前の、有馬に敗れる前の無悪。
「大したものだ。貴殿が一人でやったのか?」
「‥私は‥自分が生きてる理由が知りたかっただけ‥‥でも、人間もケガレも‥私がいなくなることを望むの‥存在する価値なんて‥私にははじめからなかったの。」
そこににた杠は酷く絶望した様子でした。
そんな杠に無悪は手を差し伸べます。
「貴殿の感知能力。ここで捨て置くのは実に惜しい。其の力、小生の悲願のために使うが良い。小生に着いてこい、こんなゴミ溜めよりもっと良い景色を見せてやろう。」
(直感ですぐに分かった。きっと私は利用されて○される。だぅて全然感情籠もってなかったし。)
(でも使い捨てでも良かった。利用価値がちょっとでもあるならそれで良かったの。中身は空っぽのままだけど進む先が照らされているって、とっても安心する。)
(この安心が少しでも続くならそれで十分なの。生きてる理由がほんの少しでもあるならそれで─)
「何ッ‥」
天馬と鈩の合技。それは魚死の直前で、割って入った杠によって阻まれたのです。
「─杠‥」
そして衝撃波が杠の身体に吸い込まれていき‥
「やべぇ離れろ!!!」
杠を中心に大爆発を引き起こすのでした。
そう、それこそが杠の身体に刻まれた“貴人対策”の術。攻撃を受け、それを倍以上にして跳ね返すカウンター型の術式。
それは自爆技。
その大爆発が辺り一帯を吹き飛ばしたのでした。
たった一滴
大爆発をかろうじて凌いだ無悪は杠の元へ駆け寄ります。
「杠!」
胴を失い、首だけになった杠は、その状態でなお無悪を心配します。
「自分で考えて‥‥動いたのか?」
「うん、無悪あのね‥今のうちに、ここから‥逃げて。このままじゃ私達は、負ける。でも、無悪さえ生きていれば‥何度でも立て直せる。」
そこで数秒押し黙った後、無悪は顔を上げます。
「分かった。今までよく働いてくれた、杠。安心して逝け。」
無悪は走り去っていきました。
その様子を見て、杠は有盛の言葉を思い出すのでした。
「い、行かないで‥いっょに‥いたい‥よぉ」
そこで杠は本心に気がついたのでした。
‥明確に死亡した描写があるわけではないので、杠はケガレとして覚醒してくるかも知れません。
一方舞台は移り、全力疾走の無悪へ。
しかし、ここで無悪は逃げることに違和感を覚えます。
(戦力も十分削いだ。10余年の準備は必要だが、あれが目を覚ますまではギリギリ間に合うだろう
‥いや‥‥違う。)
(時間の問題ではない。戦力の問題ではない。個々で退けば敗北を認めたも同然‥‥)
(ケガレとしての矜持の──魂の問題ではないかっ!!)
そう思ったも同時、天馬の一撃が疾走する無悪を一刀両断したのでした。
「どこに行くつもりだったんだ?てめぇの進む先は“死”しかねぇだろうがっ‥!!」
「天馬‥」
「やった‥!!」
泣き別れにされた無悪は今際の際で、何かを思います。
(いかん‥これはいかんな‥呪力の滲出が止らぬ‥)
(死‥‥死ぬ‥?小生の‥‥負け?)
(駄目だ‥まだ‥死ねぬ‥こんな‥所‥‥では)
最後思い浮かべたのは‥美しく笑う金髪の少女の姿。
─千
それは無悪にとって、黒く淀んだ無悪の心に生まれた、唯一の光だったのでした。
最悪の結末
無悪を討った天馬の頭上に、突如歪みが生じ‥
天馬の頭上に、穢れの王が出現。
‥‥
‥‥‥
「なっ‥‥」
その時の天馬の表情は、今までに見たことのないほど恐れを抱いていました。
そして穢れの王が無悪の身体に入っていったのです。
「この者はずっと‥私からの“干渉”に耐え続けてきた。濁りきった陰の意志で精神を固く閉ざし、正気を保ってきた──だが、最後の最後でこのものの中に生まれた「」‥願い‥祈り‥慈しみ‥」
「石清水の如き透き通った正のエネルギー。ケガレが持たざる他者への清らかな念がこのものの中で生まれた時‥内で澱んでいた陰の均衡が崩れた──」
「故に、私が顕現できた。」
そこに現れたのは、穢れの王。
無悪を依り代に、この世に顕界したのです。
「‥‥こ‥この感覚はっ‥!!」
繭良が感じたのは、穢れの姫。
様相もどこか似ています。
しかし、その強さは比べものにならないほど。
「ぐおああああああああああ!!!」
飛びかかった鈩(纏神呪)を「死臭が酷いな」の一言で握りつぶしてしまったのです。
「下郎め‥身の程を知れ。」
最凶と歌われる陰陽師を瞬殺。
それには天馬も絶句。
恐らく無悪は穢れの姫以上の存在になってしまったようです。
その様子を見た士門、繭良、天馬の三人は咄嗟に明鏡符を掲示。
─貴赫人機・纏神呪!!!!
─白蓮虎砲・纏神呪!!!!
─朱染雀羽・纏神呪!!!!
それは元第3位婆娑羅・自凝をこの世から文字通り消し去った最強トリオの纏神呪。
現状最強の組み合わせのはず‥
「負の総念たる私を前にして、恐怖を抱かぬとは──見事、見事である。恐怖を克服して敗けを覚悟の戦いを挑む。私も敬意を表そう。」
無悪に宿った穢れの王VS天馬,士門,繭良,清弦,有盛が開幕するのでした。
「─だが、私は知っている。弱きモノがどれ程集まったところで強きモノに勝つことなど絶対にない。私を穢れの”王”と名付けたのは其方らであろう?」
しかし次のコマでは、清弦や有盛も含め、全員ぼろぞうきんのような状態で倒れ込んでいました。
清弦、有盛は気絶。繭良と士門も纏神呪状態で気絶。繭良は床に寝そべり、士門は白目をむいてしまっています。そして力なく座り込む天馬の姿も。気絶しているのか、悔しさを噛みしめているのか‥描写的にどちらとも言えないのですが、唯一姿勢を保っているのが天馬だけでした。
恐らく纏神呪を維持できているので欠損はないと思いたいのですが‥
対する穢れの王には傷一つなく‥その圧倒的な強さが垣間見えます。
穢れの姫でも、御幣島スバルの纏神呪にある程度苦戦を強いられていたのに‥
それより格上の貴人、朱雀の纏神呪(もしかしたら繭良も‥?)を完封するのは強すぎる‥
依り代が無悪だからでしょうか‥?
「無悪の空間を操る能力がずっとほしかった。これでもう、安倍晴明の萎靡を待つ必要もない。これで私は自らの手で私の復活を取り熟せる。先ずは深度2013に“深淵の地”を顕現させる。」
途端、戦う陰陽師達の頭上に、深淵の地が現れのでした。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
最後まで読んでくださった方、記事を見てくださった方に感謝を<(_ _)>
また次話でお会いしましょう。
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